「もう楽にしてくれ…。」
Boriは消え入りそうな声で最後の懇願をした。
このまま戦場に残されても待っているのは敵兵士に見つかり惨殺されるか、毒蛇の餌食になるか、どちらにしろ死は明らかであった。
俺は引き鉄を引き、あいつは笑っていた。
その後すぐに戦いは終わり俺は故郷の日本に帰還った。
日本に戻って数年。
俺は全てを忘れ、バーボンとキヨハラに溺れた。
あの日はいつだったか。
肌寒い雨の日だったのは覚えている。
相も変わらず酒を飲み、部屋に横たわっていた。
「もう先も無い。」
そう、ひとりつぶやき部屋を暗くし、
ロシアンから捨て値で買ったトカレフの銃口をこめかみに当てた。
「まだ終わっていませんよ。」
Boriの声が聞こえた。
「お迎えが来たか。」
振り返るとそこにはBoriが立っていた。
「まだ終わっていません。行きましょう。戦場(ステージ)に。」
俺は頭がイカれちまったと思ったが、Boriは確かにそこにいた。
そうだ、あれは2015年11月だった。
引き金を引いたあの日、Boriの遺体はデネット・ノートン博士引き取られ
サイボーグとして生き返ったらしい。
だったらすぐ迎えにこい。
記憶をなくしてた?迷惑なやつだ!
そして俺たちはTEXAS COMMANDOとして戦場(ステージ)に立つ。
Photo credit: ctj71081 via Visualhunt.com / CC BY-SA